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函館市大船町訪問記《後編》

大船町の中心部へ

函館市大船町訪問記《中編》より~

 大船町の中心部へ。中心部といっても国道278号線沿いに民家が建ち並ぶ小さな町です。主要な産業は漁業。そういう意味では、大船漁港がこの町の中心なのかもしれません。

大船漁港 大船町の中心となる「大船漁港」。この地域では「白口浜真昆布(函館真昆布)」という昆布の養殖や「大謀網漁(定置網漁)」が盛んということ。特に白口浜真昆布は300年以上の歴史があり、朝廷・皇室や幕府・将軍家に献上したことから「献上昆布」とも呼ばれる最高級品。

大船の木箱 大船漁港に置かれていた木箱。漁業で使うのでしょうか、すべてに「大船」と大きく書かれています。ここでも“大船濃度”の高さを感じます。

大船稲荷神社 大船漁港の近くにある「大船稲荷神社」。真っ赤な鳥居が印象的。窓ガラスで囲まれた造りの社殿は、雪国でよく見かけるタイプです。

大船小学校 大船町にある唯一の学校が「函館市立大船小学校」です。道路を挟んですぐに太平洋という、素晴らしい環境。児童数は30人ほど。

大船郵便局 大船町にある唯一の郵便局が「大船郵便局」。大船漁港そばの、住居が集まった集落にあります。

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大船町で温泉に入る

 “大船町を楽しむ”ということでは温泉は欠かせません。大船町には、透き通った重曹泉と青みがかった乳白色の硫黄泉のふたつの源泉があり、地元では、重曹泉のほうの源泉を「大船温泉上の湯」、硫黄泉のほうの源泉を「大船温泉下の湯」と呼んでいるようです。

函館ひろめ荘 大船町の唯一の宿泊施設「ホテル函館ひろめ荘」では、そのふたつの源泉を掛け流しで楽しむことができます。
 近隣に宿泊施設や食事ができる場所がほとんど無いので、宿泊のほか、日帰り入浴や地元の海産物を味わえるレストランもあるひろめ荘は、大船町のオアシス的な存在と言えるでしょう。

hotel-hiromeso.jpg

ホテル 函館ひろめ荘

http://www.hotel-hiromeso.grats.jp/

河川公園 ひろめ荘近くにある河川公園。大船川の河川敷(厳密には大船川の南岸にあるので豊崎町?)にあり、キャンプ場としても整備されています。ひろめ荘へは歩いて行ける距離なので、「温泉に入ってキャンプ」という組み合わせも、大船町を楽しむひとつの方法です。

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“意外”が詰まった『大船町』

大船遺跡

 正直言ってこの大船町のある地域には、なかなか行く機会がありませんでした。フェリーや新幹線で北海道に函館から上陸しても、そこからは大沼や森、八雲などを経由して北へ向かうのが普通の観光コースです。渡島半島を巡る機会はなかなかありません。地図や航空写真を見てもほぼ森林で、何かがあるようには見えませんでした。今回も、名前が「大船」でなければ行くことはなかったでしょう。

 しかし!!!
 実際に行ってみると、大船町はとても素敵な『大船』でした。

 一番初めに感じたことは、何よりも『大船』がたくさんあること。大船漁港、大船川、大船橋、大船温泉、大船稲荷神社・・・・、隅から隅まで『大船』で、小さな町ながら意外と“大船濃度”が高いです。「鎌倉」という名前に隠れてしまいがちな鎌倉市大船地域と比べると、うらやましくも感じます。

 そして5000年の歴史がある大船遺跡。意外に規模が大きく、意外にしっかりと保存・展示がされていることから、地域の誇りとしての存在を感じることができました。今後、世界遺産に登録されれば、一気にメジャーになる(なってしまう?)のかもしれませんが、大切にしていただきたい存在です。

 さらに温泉。噴出場所がそれほど離れていないのに、まったく性質の異なる2種類の良質な源泉が湧き出ているという意外。こんな贅沢な温泉が、さりげなく存在しているということから、大船町のポテンシャルの高さに圧倒されてしまいます。

 大自然、豊富な海の幸、贅沢な温泉、そして縄文遺跡。何もないと思っていたら全てがあった。そんな意外な気持ちにさせてくれる『大船町』でした。北海道を訪れる際にはぜひ。オススメです。

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《オマケ》大船町の某“秘湯”

 大船町には、ひろめ荘のような立派な温泉施設のほかに、まさに“秘湯”と呼べる温泉がもうひとつあります。もともとは漁師さんが仕事終わりに汗を流しに来るような温泉なので、個人宅にあるちょっと大きなお風呂を貸しているというイメージです。よって、上水道もないためシャワーなどはありません。加温や加水は一切行わず、噴き出した源泉(60度程度)が流れてくる間に自然に温度調整されるだけなので、夏はやや熱めで、冬はちょうどいいぐらいの泉温ということ。初夏のこの季節でも、しっかりと肌に馴染むちょっと熱めのいい温泉でした。
 そのようなことから、観光目的で入りに行く温泉とは明確に異なります。実際に観光の流れで来てしまい、「シャワーが無い」とか「熱すぎる」とか文句を言ったり、勝手に写真を撮りまくったり、、、ということもあるようです。
 この温泉は“秘湯”と呼べる温泉であり、その“秘湯”を理解している人には、まさに極上の温泉であると同時に、大船町を知る上では欠かせない温泉なのです。

大船川 源泉は乳白色の硫黄泉である「大船温泉下の湯」。150年の歴史がある本格かつ本物の“秘湯”。入湯料300円。
 大船町内ですが、あくまでも個人宅なので地図や看板もなく見つけるのは困難。ここでも、詳しい場所や外観の写真などは、あえて掲載しませんが、歴史と泉質がよくわかるような浴槽の隅の写真(掲載許可をいただきました)を一枚。これだけで十分にその価値は伝わると思います。

記事・写真・デザイン  小野勝彦

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