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アメリカザリガニの発祥の地

アメリカザリガニの発祥の地

大船地区の誇らしいエピソードの一つとしてアメリカザリガニがあります。昭和2年にアメリカ、ミシシッピ―から運ばれたアメリカザリガニが日本で初めて大船・岩瀬で育てられたことから、「アメリカザリガニの発祥の地」なのです。
岩瀬で育った河野芳之助、卯三郎兄弟は砂押川などでウナギ、モクズガニを捕まえたり飼ったりして育ちました。勉強もできた卯三郎はやがて東京帝国大学に進み、卒業後は大学の助手になりました。当時、農家の副業にとウシガエルの研究していた渡瀬庄三郎教授から帝国大学附属病院の池で日本初のウシガエルの飼育を助手河野は任され、日本で初めてウシガエルの養殖(大正7年)に成功しました。

アメリカから持ってきたウシガエルのオタマジャクシは各地の水産試験場に配られ、国策として農家の副業プログラムが始まりました。横浜で事業を行っていた兄の河野芳之助はウシガエルの養殖に興味を持って、岩瀬に日本で初めての民間のウシガエル養殖場を作りました。
カイコが餌になってからウシガエル養殖は軌道に乗り、ウシガエルの肉は海外に輸出されて外貨を稼ぎ(1950年代には年間数百トンもの輸出量に達した)ました。1940年代はウシガエル36匹と米1俵が同じ価格で取引されました。昭和2年に河野芳之助は渡米してミシシッピ―周辺のウシガエル養殖場の視察をし、餌のアメリカザリガニを岩瀬に持ち込みました。河野芳之助は帰りの船「大洋丸」で200匹を樽で飼育しながら横浜港へ移送したのですが多くが死んで昭和2年5月12日に入港した際は20匹になり、岩瀬に運び、飼育しました。日本ではアメリカザリガニが横浜港へ入港した5月12日を「アメリカザリガニの日」としています。

岩瀬のウシガエル養殖場で増やされたアメリカザリガニは日本では初めての淡水産大型ザリガニでしたので、もの珍しさに多くの見学者が訪れました。また農家の副業としてウシガエルの養殖を始めたい方々が全国から岩瀬のウシガエル養殖場を訪れ、河野芳之助から飼育方法を教わり、ウシガエルの卵とともにアメリカザリガニも併せて持ち帰ったのでしょう、それから30年あまりで北海道から沖縄まで全国にアメリカザリガニが棲息するようになりました。

日本各地で繁殖したアメリカザリガニは、身近な水辺で見られるようになると子供たちは「マッカチン」と呼び、「ザリガニ釣り」「ザリガニ捕り」が人気の遊びとなりました。捕まえられたザリガニは丈夫で飼いやすく、脱皮や子育てをする様子をみて子供たちはメダカなどとともに水辺の生き物の飼い方を学びました。
2005年に「外来生物法」ができてからは、アメリカザリガニはニジマス、グッピーなどとともに「要注意外来生物」にランクされました、アメリカザリガニを飼育するのは問題ありませんが自然の中の川などに放つことは制限されています。

記事・写真  鎌倉いきもの会議代表 山田 海人

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