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「大船ちょっと昔展」をふりかえる(後編)

「昭和の大船」写真展 ~かっちゃんの写真館~

 5月20日に行われました「第15回 大船まつり」と鎌倉芸術館との共催イベント「大船ちょっと昔展」について、その後編として「昭和の大船」写真展のパート2と「大船シネマ通り」を振り返ってみます。「前編」で紹介をしましたパート1は、鈴木正一郎という写真家の眼で映し出した「昭和の大船」ですが、パート2は地元で生まれ育った川上氏の眼で捉えた「昭和の大船」といえます。

川上さん(1)

 はじめに川上克己氏を簡単にご紹介します。愛称「かっちゃん」こと川上克己氏は昭和13年(1938年)に台峯のふもとに代々続く家に生まれ、現在も台を中心に様々な活動を行っています。若くして働きはじめ、貯めたお金で高価なプロ仕様のカメラを購入し、台峯や北鎌倉の暮らしや自然を撮影し、今も撮り続けています。それらの写真は、母屋であったお宅を屋号である「てんだい」(天台)という呼び名でみんなが集まれる場として開放しここの二階で展示をしています。今回はそれらの中から数枚の写真パネルとアルバム等をお借りし展示しました。

昭和(1) 昭和(2)

 川上氏は「てんだい」を里山の暮らしや文化継承の拠点にし、四季折々のイベントや里山インストラクターとして台峯や六国見山森林公園の案内や手入れと幅広い活動を行っています。会場では、川上氏の話を元に「山崎・谷戸の会」が制作した紙芝居を、前述の島村國治氏がパソコンに取り込み編集した『かっちゃんの昔あそび』と『かっちゃんのお手伝い』の二作品も上映しました。

川上さん(2)

紙芝居

 また、ギャラリー2では当ホームページとの連動企画『大船のここが大好き』というコーナーを設け、子どもさんをはじめ多くに人に「大船の好きなところ」を大船観音をデザインした用紙に書いていただきました。

案内板(2) 大船ここ好き

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「大船シネマ通り」(ギャラリー3)

案内板(3) シネマ01

 昭和の大船といえば、やはり「松竹大船撮影所」を抜きに語れません。鎌倉芸術館のギャラリー3では当初から映画関連の展示をと考え「大船シネマ通り」というタイトルだけは決めたのですが、なにしろ撮影所が閉所したのが2000年6月と既に18年も経っており、鎌倉女子大学のキャンパスに設けられている資料コーナーを除けば、街なかで当時の面影を残しているものはほんの数箇所だけです。

 以前、「鎌倉川喜多映画記念館」で『女優王国~松竹大船撮影所物語』という企画展を拝見した時に多くの松竹映画のポスターが展示されており、何点かお借りし展示できればとお話に伺ったところ、それらは松竹本社や国立フィルムセンターが所有しているものをお借りしたとのこと。手続きや時間的なことなど諸事情を考慮し、残念ながら今回は断念することにしました。

 とはいえ、展示の目玉になるような撮影所ならではの“お宝”が欲しくいろいろと探している中で、鈴木正一郎氏の「昭和の写真」を所有しています鎌倉市中央図書館近代史資料室には、昭和11年に撮影所が開設された時の記念絵葉書や松竹分譲地の販売パンフレット、昭和30年代の大船を描いた絵地図などが保管されており、今回は複写をさせていただき展示しました。また、近代史資料室には元・松竹大船撮影所美術担当の森田郷平氏が生前に寄贈した松竹映画の台本が100冊以上も保存されており、その中から『砂の器』をはじめとする貴重な台本20冊を展示させていただきました。

 さらに元・松竹の照明担当として多くの映画製作(『男はつらいよ』の“寅さんシリーズ”など)に携わった藤田繁夫氏からは個人所有の撮影時のスナップ写真や集合写真、それに渥美清さんや倍賞千恵子さんの色紙、『男はつらいよ』のシナリオ台本、撮影時には欠かせないカチンコなどをお借りしました。同じく松竹の撮影監督で「大船地域づくり会議」のメンバーである中橋嘉久氏にはシネマ・トークとして『撮影現場から見た俳優さん達』という演目で映画界の裏話やエピソードをお話していただき多くの方からご好評をいただきました。

 鎌倉川喜多映画記念館からは、昨年行われた特別展『鎌倉映画地図』で展示されたパネルやイラストレーター・宮崎祐治氏が描いた俳優さんたちの似顔絵をオリジナルの原寸大のサイズで展示させていただきました。その他にも横浜都市発展記念館から松竹大船撮影所の地鎮祭(昭和9年)の写真の展示や、1990年に鎌倉市が制作した『シリーズ私と鎌倉・俳優 笠智衆』のDVDも上映をさせていただきました。

シネマ02 シネマ03

シネマ04 シネマ05

シネマ06 シネマ07

シネマ08 シネマ09

シネマ10 シネマ11

 5月20日の「大船まつり」からもう3ヶ月も経ってしまいましたが、いつまでも猛暑を言い訳にできず、ようやく写真展を振りかえってまとめることができました。展示会とかイベントに関しては全くのシロウトが引き受けてしまったことから、多くの皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました。特に、鎌倉芸術館にはいろいろとご無理をお願いしてしまいました。当日の予想以上の多くの方々に来場していただいたことで、なんとかお詫びと御礼ができたのではと勝手に思っています。お手伝いをしていただきました多くの皆様、本当にありがとうございました。次回もまた・・・・・ちょっと、考えさせていただきます。

記事: 村川邦衛
写真: 小野勝彦
デザイン:吉田紳哉

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