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日赤共同募金奉仕者合同研修会報告

共生社会の実現を目指して

 2019年3月8日、大船地区社会福祉協議会主催の「日赤共同募金奉仕者合同研修会」が、鎌倉市旧整備事務所会議室で開催され、地区の民生委員・町内会長・ボランティアセンターのメンバーなど37人が参加しました。山ノ上理事の司会のもと、「共生社会の実現を目指して」とのテーマで鎌倉市健康福祉部 地域共生課長の内藤克子(ないとうよしこ)氏より講演がありました。


講師の内藤克子氏と司会の山ノ上理事


講演要旨

 自己紹介では、障害児の親としての経験を生かして健康福祉の課題としての共生社会の実現に向けて取り組むと表明がありました。

 地域共生社会とは、従来の制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手・受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と地域が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい・地域をともに作っていくことを基本理念として、①地域課題の解決 ②地域包括的支援 ③地域のまるごとのつながり ④専門人材の登用等を骨格に、厚生労働省の検討会が提言をまとめ、国が地方自治体や地域に実施を呼びかけている福祉のあり方を見直す事業です。

 鎌倉市の高齢化率は30.7%に達し、要介護認定率19.1%、障害のある人(手帳申請者)は24人に1人、公立小・中学校の不登校の児童生徒は65人に1人、8050問題(1980年代からの若者の引きこもり問題が30年後の現在では80歳の親が50歳の子供を養う)など多様な問題が生じています。現在の制度ではそれぞれに相談窓口が異なりどこへ相談したらよいか困っている現状があります。これらを受けとめ横断的に対応するために地域共生課に福祉総合相談窓口が設置されました。市長の公約である福祉48目標実現のため「地域共生条例」制定の準備を進めており、健康福祉部に2018年4月に創設されたのが地域共生課です。

鎌倉市共生社会の実現をめざす条例

 鎌倉の目指したい共生社会の基本理念は、①お互いの個性と多様性を尊重しあい自分らしく暮らす ②安心できる地域に支え合って暮らす ③本人の望むかたちで社会に参画する の3つ。②の支え合い社会について、食卓を囲んで長い箸、自分の口に運ぶことが無理であっても互いに相手の口に運ぶことで食事ができるとの例えや、③社会参画では、平等について同じ高さの踏み台と目線が同じになるよう個々に合わせた踏み台を示し、本当の平等とは?との問いかけ等、わかりやすい説明がありました。

 基本的施策は、①共生の意識の形成(共生カフェ等、共生を実感できるイベント実施) ②情報のやりとり(その人に合わせた情報伝達手段=口頭・筆談・手話・動作など) ③社会基盤つくり(点字ブロックや常設のガイドや案内所など) ③共生のまちづくり=福祉・医療・住民などがつながる町(例、地域包括ケアシステム、鎌倉海藻ポークの挑戦の紹介) ④体制つくり(まず庁内=市職員の意識改革から、共生窓口のサインボードや各所で人材を育成する体制つくりなど)の説明がありました。

全国各地の共生社会に向けた取組み

 各地の取り組みの例として、①インクル相談室鎌倉(地元大船にある生活困窮者の自立支援相談窓口、②福祉・子育て相談窓口(愛媛県松山市役所)、③小規模多機能施設ぐるんとびー(UR団地の空室を利用した介護施設、藤沢市)、④シェアー金沢(障害者施設からつながり、支えあい、共に暮らす街へ、石川県金沢市)、⑤SLOW LABEL(障害者とアーティストのコラボによるブランド商品化、横浜市) などの活動の紹介がありました。

 最後に、「できないことは人に頼ればいい。その代わり、頼られたときは応えるといい」との内藤氏から提言と、「こんなシーンが当たり前にある鎌倉をめざしたい」との呼びかけがありました。

会場からの質問

 「不登校の生徒と親、家庭に踏み込むことは難しいがどのような関わり方があるのか」との質問があり、「なぜ学校がいやなのか、家庭だけではなく学校や環境面の課題を見つける取り組みをしていくことが大切である」との答え、「市役所では担当課から個別に地域に依頼事項が降りてくるが、受け手は一つであるので共生課でまとめられないか」、「行政では担当課ごとに業務を分け責任をもって行っている、縦割りに問題があれば地域共生課に連絡がいただければつなぎ役を果たしたい」等の返答がありました。他に、施策実現の予算的な心配や障害児者に関わる質問がありました。

 最後に、梅澤会長から地域福祉を担う地区社協として「ふれあいの地域づくり」に引き続き取り組みたいとの意思表明と閉会挨拶あり、研修会が終了となりました。

記事塚谷進一
写真北村充成
デザイン小野勝彦

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